磐船神社の岩窟めぐりで、生まれ変わりを体験してみませんか?
大阪の交野市にある磐船神社は、古代の巨石信仰と、岩窟めぐりが体験できます。
岩窟めぐりをすると生まれ変わりができるといわれていますから、
日々、辛い思いをされているという方は、一度訪ねてみてもいいのでは。
ここでは、私が実際に行ったときの岩窟めぐりの感想をお伝えしています。
「どうなんだろう?」
と不安に感じている方は、ここで岩窟めぐりを体験されてから、参拝されてもです。
では、岩窟めぐりの体験談の前に、まずは岩船神社のカンタンなご紹介から始めます。
ご祭神はどんなかた?
磐船神社のご祭神は、饒速日命(にぎはやひのみこと)です。
この方は、天照大神(あまてらすおおみかみ)の子孫にあたられるかたで、大和朝廷のころの大豪族、物部氏の祖先です。
この地へは、天照大神の命令で、32人のお供を連れて、天の磐船に乗ってこられました。
そう、日本国(やまとのくに)という名は、この方が天の岩船からこの地を見たときに、
「虚空見つ日本国(そらみつやまとのくに)」
といわれたことから始まるとされています。
磐船神社ってどんな神社なの?
まず、ご神体が高さ12m、幅も12mある巨石です。
この巨石は、先にご紹介したご祭神の饒速日命(にぎはやひのみこと)が、
この地に降りたたれたときに乗ってこられた、天の磐船といわれています。
写真ではうまく大きさが伝わらないのですが、実際に見るとその大きさにびっくりします。
カンタンに磐船神社の歴史を
磐船神社は、物部氏、その中でも磐船神社がある、交野に住んでいた肩野物部氏が、祖先降臨の地としてお祭りをされていました。
ただ、いつごろ、この神社ができたのかについては、神社でいただいた「磐船神社略記」にもくわしい記載がありませんでした。
ですから、そこのところは分からない。ただ、物部氏が活躍したのは4世紀ごろですから、そのころには創建されていたのかもしれません。
それから、当時の有力者であった、物部氏と蘇我氏の争いが起こり、争いに敗れた物部氏が滅亡したことにより、磐船神社は衰退します。
物部氏の滅亡後、岩船神社は衰退するのですが、近隣の村の総氏神として崇敬されていました。
しかし、江戸時代の半ばに続いた天災により、社殿などを失います。そのほかにもいろいろな事情が重なり、村々でご分霊を祀ることとなり、磐座のみが残るというだけになってしまったのです。
それから長く荒れた時が続きましたが、昭和に入って、社殿などが整えられ、今の姿になりました。
境内と岩窟めぐりのご紹介
まずは岩窟めぐりからご紹介しましょう。
岩窟めぐりは、現在も行場として使われています。
そして、事故も起きたことがありますから、いくつかの注意点があります。
・岩の間を通って進みますから、服が多少汚れます。
・滑りやすいところがありますから、滑りにくい靴が必要です。
・1人では拝観できません。
・10歳以上、75歳未満の方が拝観できます。
このほかにも、カメラや貴重品の持ち込みができないといった注意点があります。
「面倒だな」
と思われたかもです。
修業に使われている神聖な場所ですから、いろいろ制約があるのは当然でしょう。
社務所で岩窟めぐりの申し込みをすると、「参拝申込書」が渡されますから、必要事項を記入します。
このとき、注意事項を確認します。全て確認し、あなたが納得すれば、申し込み完了です。
行衣(しろたすき)を身につければ、岩窟めぐりのスタートです。
この行衣は、社務所で貸していただけます。
行衣をつけると、
「さあ、これから修行に行くぞ!」
と気持ちも高まります(笑
あと、靴ですが、私はこのようなスニーカーで参拝しました。
靴底がツルツルでなく、滑りにくいものであればOKとのことでした。
「そんな靴、持っていない!」
このような時は、社務所でわらじを貸してくださいますからご心配なく。
ただ、ほかの方との共用になります(きちんと洗濯はされていますよ)。
ここが、岩窟めぐりの入り口。
岩と岩の間を降りていきます。
「あれ? カメラの持ち込みは禁止ではないの?」
あなたがそう思われたのも当然。
この写真は、岩窟めぐりをしたあと、社務所で、許可をいただいて写したものです。
ですから、ズルはしていません!
岩窟の中は、狭いところ、暗いところもありますが、
分かりにくいところには白いペンキで進行方向が書かれています。
ええ、こちらも許可をいただいて撮影したものです。(^.^)
手をついたり、おしりをついたりして通り抜けるところもありますから、
服装は汚れても大丈夫なものを選んでください。
私は、先に行衣でご紹介した服装で岩窟めぐりをしました。
白っぽい服装ですが、
「あちゃ~、汚れちゃったな」
とはなりませんでした。
パンツは白のジーンズです。少しゆったりめ。
ぴったりしたものは避けましょう。素材も伸び縮みするものがいいでしょう。
岩窟めぐりの所要時間は、ゆっくりと拝観しても約10分。
出口を出た時は、
「出た~~」
って、気分になりました。
やっぱり、うす暗い、せまい、ところから解放されたという気持ちがあったのでしょう。
「せまいところが苦手な人は無理?」
これは人によって感じ方が変わるので、はっきりしたことは言えませんが。
密閉された空間になることはありませんし、1人きりになることもないでしょうから、
急いで通り抜けようとしたり、慌てたりしなければ、心配をする必要はないと思います。
雨の日や、前日が雨の時は、拝観はできません
岩窟めぐりは、岩場を進みますから、雨の日には足元が滑りやすくなります。
ですから、前日が雨の日も含めて、拝観ができません。
もうひとつ、拝観時間が季節によって変わります。
・7月~8月 9:00~16:00
・12月~1月 9:00~15:00
これ以外の季節も、日没時間によって終了時間が短くなります。
磐船神社を訪れるときは、天候と時間にご注意ください。
岩窟めぐりのあとは、神域を散策
岩窟めぐりを終え、坂を上っていくと、左手に階段が見えてきます。
この階段を登ったところに、「天の岩戸(あまのいわと)」があります。
天の岩戸は、神話の時代、弟のスサノオノミコトが大暴れすることに恐れをなした、アマテラスオオミカミがお隠れになった場所です。
アマテラスオオミカミがお隠れになったことで、世の中が闇に包まれてしまいました。
何とか、アマテラスオオミカミを、天の岩戸から外に出そうと考えていた神々は、岩戸の前で宴を行いました。
宴の様子が気になるアマテラスオオミカミが、少し天の岩戸を開いたとき、
力自慢のアメノタヂカラオが岩戸を引き開けて、外に連れ出したとされています。
天の岩戸とされているところは他にもいくつかありますが、磐船神社の天の岩戸は、
写真でも分かるように3つの大きな岩が重なり合っていて、横に引き開けることができるように見えます。
私の個人的な感想ですが、ほかの天の岩戸伝説のある場所は、すべて洞窟なのです。
入口を閉じるようなことも難しそうなので、この天の岩戸を見たとき、ここが本物かもと思いました。
そして、磐船神社の天の岩戸に向かってお参りをすると、ちょうど伊勢神宮の方向になります。
あなたはどう感じられましたか?
社務所への帰路には、こんなモニュメントもありました。
こちらは境内にある、岩に彫られた不動明王像です。
天文14年(1545年)に彫られたもののようで、戦国時代のものです。
この像が彫られた2年前に、種子島にポルトガルの船が漂着し、初めて日本に鉄砲が伝えられました。
歴史の教科書でしか知ることがなかった時代のものってすごくないですか?
こちらは白龍の滝です。
高さ5mほどの滝ですが、水量が多く、近くで見ると迫力があります。
この滝は、今も行者さんの禊場(みそぎば)として利用されています。
もし、訪れられた時、禊を行っている方がおられたときは、邪魔にならないようお気をつけください。
白龍の滝は、磐船神社の鳥居を出て、右方向に歩いていくと、鳥居があります。
鳥居をくぐって進んでいくと、すぐに滝が見えてきます。
石の入ったおみくじ
磐船神社では普通のおみくじもありますが、石が入ったおみくじもあります。
石の色は8色。お値段は300円です。(普通のおみくじは100円です)
磐船神社は、遠い昔からの巨石信仰の神社です。まさにピッタリのおみくじではないでしょうか。
で、石の色にはそれぞれ意味があります。
私がいただいた石は、黒。全体運が向上するそうです。
石は、おみくじが入っていた袋に入れて持ち歩いています。
全体運が向上しますようにと。
このおみくじ、社務所の前に置いていないことがあります。
その時は、
「石の入ったおみくじはありますか?」
と聞かれれば、出してくださいます。
あなたには何色の石が訪れるでしょうか?
黄色?緑?赤? どんな色と出会えるか、楽しみですね。
まとめ
磐船神社の魅力は伝わりましたでしょうか?
仕事で疲れた、人間関係に悩んでいる、といったとき、はるか昔から修験者が行ってきた岩窟修行で、生まれ変わりを体験されてみてはいかがでしょうか。
あなたの休日が素晴らしい日となりますことを願っております。